冬至の日のおかずといえば、かぼちゃが定番ですね。
でも、いろんな人に話を聞いてみると、地域や家庭によって違いがあるみたいです。
「冬至の日に「ん」がつく食べ物を食べると縁起が良い!」らしいですね。
冬至の日のお夕飯。我が家でも、副菜にかぼちゃの煮物がついてきました。
テーブルをみた娘が「給食でかぼちゃ嫌いな子いるんだ。」と、ぽつり。
それを聞いた息子は「パパ!かぼちゃ食べない子はどうなるの?風邪引いちゃうの?」
そうだよね?かぼちゃキライな子はどうするんだろう?
ということで、今回は冬至に「ん」のつく食べ物が縁起がいいと言われる由来と、それ以外の縁起がいい食べ物について、調べてみました。
冬至には「ん」がつく食べ物がイイと言われる由来は?
冬至にはかぼちゃの他、「ん」がつく食べ物が良いとも言われていましたが、なぜそういう風に言われるようになったのか?
いくつか理由がありましたので、ちょっとみていきましょう。
由来1.運盛り
昔の人は語呂合わせが好きだったので、
「ん」=「運」
と読み替えていました。
「運(ん)」がつく物を食べることは、運を蓄える、呼びこむ、という意味があり、とても縁起の良いものとしていたのです。
ちなみに、「ん」がつく物を食べることを、「運盛り」と言います。
こんにゃくとか、だいこんとか、とにかく「ん」がつけば良いそうです。
コレを教えた後、息子からは
「ハんバーグ」「お子様ラんチ」「グラタん」「回てんずし」「プリん」
などふざけた案が出まくってました。って、料理名だろそれ!
すると「メロん!」「メロンいいよね。あってるよね?ねえ?」
教えなきゃ良かった...
由来2.一陽来復
また、冬至に「ん」がつくものを食べるようになったのは、「一陽来復」という言葉が由来になったとも言われています。
※ゆず湯に入りながら唱えると幸せになるとも言われています。
これは、
- 冬が終わり春が訪れる
- 不幸のあとに幸運に向かう
- 陰の気から陽の気に変化していく
といった意味があり、暦では、11月もしくは冬至のことを指しています。
わかりやすく言うと、
「イマイチだった今年も今日で終わり!明日から幸運な新年が始まるよ!」
といった感じでしょうか。
一周回って、最後の日、ということなのですが、ここで「ん」が再登場します。
いろはにほへと~ の最後は「ん」ですよね。
冬至=年末=「ん」
年の終わりに「ん」がつく物を食べて、「運」を味方につけちゃおう!
というのが、この風習の始まりとも言われています。
由来3.冬至の七種
京都では、冬至の日には「冬至の七種(とうじのななくさ)」と呼ばれる、7種類の食べ物を食べると縁起が良い、とされています。
どれも「ん」が2つ入っているので効果はバッチリ(らしい?)ですよ。
どんなものがあるか、ちょっとみてみましょう。
冬至の七種
- なんきん(かぼちゃ)
- れんこん
- にんじん
- ぎんなん
- きんかん
- かんてん
- うんどん(うどん)
やっぱり、かぼちゃ君いましたね!
銀杏、金柑、寒天はちょっと難易度高いな...
「そうだ!天ぷらうどんと茶碗蒸しと羊羹食えばいいんじゃね?」
ということで奥さんに冬至の日のメニューとして、全部盛りの希望を伝えると
「めんどい。外食でお願いします(# ゚Д゚)」
とキレ気味に優しく言われてしまいました。
まあ、全部盛りは無茶でも、いくつかチャレンジしてみる価値はありそうですね。
風習は語呂合わせが多い?
みていると、日本人は語呂合わせ好き過ぎですね...
お正月のおせち料理の田作り(豊作を願う)、数の子(子孫繁栄)などは有名ですよね。
土用の丑(うし)の日に「う」のつく、うなぎを食べると元気になる、とかも。
ちなみに、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は、江戸時代に平賀源内が広めたんですけどね。
(教科書に載っていた、エレキテルの人です。)
この人は発明家や脚本家の様な仕事もしていたのですが、今で言うコピーライターもしていたそうです。
暇で困っているうなぎ屋に頼まれたそうですよ。
「なんだよ、適当か!」と思いましたが、確かにかぼちゃも金柑も風邪に効くし、うなぎは夏バテに効果がありますよね。
ただの語呂合わせと思ったら、けっこう理にかなっていました。意外と侮れません!
他にもあった冬至の食べ物
小豆
冬至は食べ物やゆず湯で邪気を払い健康を願う日、ということなので、
病気の元となる鬼=疫鬼(えきき) をぶっ飛ばす日!とも言えます。
疫鬼は、小豆の赤い色が苦手と言われているため、冬至の日には鬼を払うために小豆を食べる、という地方もあります。
特に北海道などの小豆の産地では、かぼちゃと一緒に小豆を煮る「いとこ煮」という料理をたべるそうです。
「と」がつく食べ物
出雲地方(現在の島根県)では、冬至の日に「と」がつくものを食べる風習があるそうです。
豆腐とか唐辛子などを食べるようですが、とうじの「と」とかけているらしい、という以外はよくわかりませんでした。
でも、豆腐の元になる大豆も、唐辛子も、節分の時には、邪気払いに使う魔除けに使われています。
なので、冬至に食べるものとしてはピッタリなのかもしれません。
なんだか聞いた時は不思議な感じですが、いろいろ知っていくと、「ふむふむ」と納得出来る気がします。
地方の珍しい食べ物
ほかにも、福島では砂糖をいっぱいのせた梅干を食べたり、仙台だとお雑煮の中に塩いくらを入れて食べたりするそうです。
また、埼玉は塩辛い饅頭を食べるみたいですね。
大福っぽいのですが、別名「塩あんびん」というらしく、味付けは砂糖ではなく、塩を使います。
塩バニラとか塩キャラメルみたいなほんのり塩味、じゃなくてガッツリ塩味らしいです。
美味しいかどうか想像がつかないのですが、ちょっと食べてみたい気はしました。
中国や韓国では?
冬至のもとになった暦も風習も、元は中国から伝わったものです。
なので、他の国にも、同じような風習が残っていました。
まず、韓国では、小豆粥、お餅を入れたぜんざいが一般的です。
小豆を使ったものを食べると、一年間風邪を引かないとされているため、何処の家庭でも、冬至の日には小豆粥を食べるそうです。
中国北部では、冬至の日に餃子を食べるそうです。イイですね!餃子!
北の方では小麦の栽培が盛んなので、豊作を祈り小麦粉で練った皮で餃子を作ります。
また、中国南部や台湾では、雲呑(ワンタン)だそうです。こっちもイイですね!
他にも、冬至の時には、冬至の魚、冬至の肉、と呼ばる、アヒルや豚肉、魚を使ったごちそうを食べます。
冬至のお酒、という砂糖を使った甘いお酒もあるそうです。
お祝いごと、楽しいイベント、という風に楽しんでいるようですね。日本のお正月みたいなイメージでしょうか。
さいごに
冬至の日の食べ物って、かぼちゃだけじゃなかったんですね!
かぼちゃ嫌いの子供には、かぼちゃの煮物を無理やり食べさせなくても大丈夫。
餃子を作ったり、天ぷらうどんもOKってことですからね。
中国式でも、京風でも、家族の健康を祈る行事なので、みんなで多数決で決める方が楽しいと思います(かぼちゃ食べたほうが雰囲気は出るけど)。
ちなみにウチは今年から中国式を取り入れてみようかな。
焼き餃子とビールで季節の行事を楽しみたいと思います。
でも、かぼちゃも副菜で食べますよ。
コメント