秋冬に美味しい銀杏。
でも少しくせがあるので、わりと好き嫌いが分かれる食材ではありますね。
自分は銀杏が大好きなので、スーパーでみかけると、つい買ってしまいます。 そんな銀杏ですが、原産の中国では薬としても扱われているそうです。
木の実とか種子って栄養が豊富といわれますが、特にイチョウの木は生命力が強く、その種子である銀杏も、食べると元気になると言われています。
じゃあ、銀杏ってそんなにすごく栄養があるのかな?と気になって調べたところ、実は銀杏はまれに食中毒を起こしてしまう危険な面もあるみたいですね...
ということで、今回は、
- 銀杏に含まれる栄養素(どんなものがあるか)
- 銀杏の効能・健康効果(本当にあるのか)
- 銀杏を食べる時の適量(大人と子供の目安)
などについて調べてみました。
銀杏を安心して美味しく食べるためにも、是非、参考にしてみてくださいね!
銀杏に含まれる主な栄養素や健康効果について
まず、銀杏に含まれる栄養素として主なものをあげてみました。
銀杏100g中に含まれる主な栄養素3つ
- カロテン 290ug
- カリウム 700mg
- ビタミンC 23mg
ちなみに、銀杏は1粒でだいたい3~5g位です。なので、上記は20粒位食べた場合の目安と考えてください。
これらの栄養素の主な効果や役割はこんな感じです。
カロテン
抗酸化作用や免疫力に効果がある。また、体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を健康に保つ
カリウム
利尿作用による血圧の低下、ナトリウム(塩分)の排出、骨密度の増加や脳卒中の予防など
ビタミンC
抗酸化作用やがん予防、高脂血症や動脈硬化の改善など
他にも、いろんな栄養が含まれているので、細かく知りたい方はリンクからどうぞ。
文科省:五訂日本食品標準成分表
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm
いろんな食品の栄養素が一覧表になっています。
このように、複数の栄養素をバランスよく含んでいるので、確かに栄養価の高い食品といえるのかもしれません。
とはいえ、ひとつひとつを見てみると、実はそこまで栄養価が高いわけでは無いんです。
カロテンは人参やシソの方が全然多いですし、カリウムもパセリや納豆、乾物類の方が豊富に含んでいます。ビタミンÇもレモンなどの柑橘類だけでなく、じゃがいもなどいろんな食材から摂取出来る栄養素ですからね。
後述しますが、食べ過ぎるとちょっと心配なところもあるので、もしこれらの栄養を意識して日常的に摂りたいと思っているのであれば、ほかの野菜がおススメです。
更に、注意しなければいけないのが、
「食べ過ぎると食中毒になる?」というちょっと怖いデメリットがあります。これについても少しだけ触れておきますね。
銀杏の食べ過ぎには要注意!
銀杏の食中毒は、実は昔からよく知られていました(自分は知りませんでしたが)。
銀杏中毒の症状については、様々なものがあり発症には個人差がありますが、
主な症状としては、嘔吐や発熱、意識の混濁、等が挙げられます。
他にも場合によっては、下痢や便秘、皮膚炎、呼吸困難、不整脈などなど
多くの症状を引き起こす可能性があるそうです。
これらの症状を引き起こす原因、それはビタミンB6に関係しているんです。
銀杏中毒の食べ過ぎはビタミンB6欠乏症の原因にも!
銀杏中毒の原因物質は『4-O-メチルピリドキシン』というものです。
これはビタミンB6に、非常によく似ているため、体内でビタミンとB6と勘違いして取り扱われます。
その結果、
本物のビタミンB6が足りない → ビタミンB6欠乏症と同じ状態
という状態になってしまうんですね。
ちなみにビタミンB欠乏症の症状は銀杏中毒とほぼ同じです。 というか、原因が同じなので症状もまったく同じです。
更に気をつけたいのが、腎機能障害の方、リウマチ患者の方です。これらの病気がある方は、もともと体内に蓄積しているビタミンB6が少ないことがあるそうです。
※注意点等については下記のサイトを参考にしています
銀杏の栄養や効能には健康効果を期待しない方が良い?
銀杏には豊富な栄養がある反面、同時に中毒になる危険があることもわかりました。
なので、いくら栄養価が高いと言っても、そこに健康効果を期待して食べるというのはやめておきましょう。
元々銀杏は中国やヨーロッパでは薬としても知らているのですが、逆にアメリカで行われた研究では、残念ながら、それ程の健康効果は無いとされているようです。
また、イチョウの葉で作った茶が健康に良い、という話を聞きましたが、こちらにもアレルギー物質であるギンコール酸がたくさん含まれているので、あまりオススメは出来ません。
更に、種子である銀杏の方にはビロボールというまた違うアレルギーの原因物質がふくまれています。
このように、銀杏には中毒だけでなく、アレルギーのリスクもあるんですね。
とはいえ、アレルギーの原因となる食材は様々です。銀杏だけが危険、という意味ではありません。そういうリスクもあるので食べ過ぎは良くないということを知って頂くためにすこし触れておきました。
なので、銀杏を食べるときには、健康効果を期待するのではなく、季節感楽しむ程度にしておきましょう。
ちなみに、2億年前から存在するイチョウの木は、強い生命力が知られていますが、生き残った一番の理由として、一説には実がものすごく臭いのでサルなどの動物が嫌って食べなかったから?とも言われています。
でもアライグマはもりもり食べるらしいですよ。あの臭いが平気みたいです。
種子が美味しいのはわかるのですが、あの臭い身の部分も食べちゃうんでしょうか?洗っても臭いと思うのですが...
銀杏の適量は?大人と子供でどの位食べていいの?
最後に、銀杏を食べる時の、より安全と思われるラインでの適量はどの位か?考えてみました。
自分が過去にアニサキス等で辛い目にあっているので、安心して食べられるように一般的に大丈夫!と言われているものよりも慎重に考えてあります。
大人の場合
一度に食べるのは10粒位が良いでしょう。
お酒のつまみにも良い銀杏ですが、落花生や枝豆みたいな感覚でパクパク食べるのはダメです。あらかじめ食べる量を決めて、それ以上は調理しないようにしましょう。
一般的には大体10粒〜30粒くらいと言われていますが、人によっては体調次第で数粒でも中毒の症状が出ることがありますので。
※自分はビビリなので8粒と決めて楽しんでいます。
子供の場合
小学校低学年までは1つか2つ、茶碗に入ってるレベルまでにしておきましょう。というか、小学生になって、本人が食べたいと言うまであげない方が良いですね。
幼児の場合、2粒くらいでも食中毒を起こす例もあったそうです。
子供だからダメ!なんて差別する気はありませんが、少しでもリスクがある場合、こういう食べ物はおとなになってから食べさせましょう。
銀杏は年の数以上食べてはいけないものだった?
ちなみに銀杏には昔から、銀杏は歳の数以上食べてはいけないと言い伝えがあります。
ちゃんと中毒の危険性について理解をしていたんですねー。
とはいえ、年の数だとちょっと多いです。
子供はもちろん、大人も「じゃあ俺は40歳だから酒のつまみに40個食べよう!」という訳にはいきませんよね。
なので、子供は小学生までは不可、大人も多くて10粒程度、このくらいが安全な量だと思います。
ちなみに銀杏中毒の治療には、やはりビタミンB6の摂取が効果的とされています。
なので、銀杏を食べる時には一緒にB6を摂っておくのも良いと思います。
とはいえ、「ビタミンB6をたくさん含む食品をいっぱい食べれば、銀杏もたくさん食べても大丈夫!」という考え方はしない方が良いですよー。
食べ過ぎは良くないという事が分かった以上、たくさん食べる方法を考えるよりも適量を守って楽しむ方が大切ですからね!
まとめ
それではまとめです。
- 銀杏に含まれる主な栄養素 カロテン・カリウム・ビタミンÇ
- 銀杏は食中毒やアレルギーの危険がある為、食べ過ぎに注意する
- 銀杏を食べる時の適量 大人10粒 子供は小学生以下は不可
銀杏は個人的にも美味しくて大好きな食材ではありますが、体調を崩してしまっては意味がありません。こういうものは秋が来たな、という気分を味わうための食べ物です。
特別な健康効果も、突出した高い栄養価もあるわけではありませんので、食べ過ぎには注意してくださいね!
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