イカのお刺身や、カツオのたたき、サンマの酢締めとか、ホントに美味しいですよね。
でも、気をつけなければいけないのが、アニサキス症です...
動けなくなるほどの激痛や嘔吐など、本当に辛くて苦しくて、もう二度と経験したくありません。
今回はアニサキス症の予防に有効とされている、冷凍処理についてです。
- 予防効果のある温度や冷凍時間など明確な基準は?
- 家庭用の弱い冷凍庫でもちゃんと予防効果はあるの?
そこら辺の疑問について、知恵袋にも載っていない大事なポイントをまとめてあります。
何度もアニサキスに苦しめられ続けた私が、ヤツを恐れなくなった予防法です。
是非、参考にして下さいね。
アニサキス予防には冷凍処理が有効!
お刺身など生で調理する場合、アニサキス症の予防法でイチバン確実なやり方は、
「一旦、食材を冷凍してしまうこと」です。
えーっ、せっかく新鮮なのに?
「捌く時によく見ればいいんじゃないの?」
と思ったあなたの気持ち、よくわかります。鮮度を活かして、そのまま食べちゃいたいですよね。
でも、調理する時に見つけるといっても、目視だけでは結構難しいんですよ。
アニサキスは通常、魚やイカなどの内臓にくっついて生活しています。
でも、漁によって捕獲した魚やイカは、徐々に鮮度が落ちてきますよね?
宿主が死んだことに気が付くと、アニサキスは外に出ようとして、内臓から筋肉の方へ移ってきます。
身の中に入られてしまうと、ぱっと見ではなかなか見つけられません。
アニサキス自体の色も、白っぽい透明だし。
なので、まな板の上でにらめっこしても、たぶんわかんないでしょうね...
生食するのであれば、一度、魚の身を冷凍して、隠れている(かもしれない)アニサキスを死滅させちゃいましょう!
カッチカチです。これならアニサキスも生きてはいられませんね。
ちなみにイカの場合は、捌いた身を光に透かしてみると、アニサキスを見つけることが出来るそうです。
「どうしても釣りたてを、刺し身で食べたいんだ!」
という方は試してみてください。
(ただし、自己責任でお願いします)
死滅する時間と温度は?
では、アニサキス症の予防を目的とした冷凍処理の場合、
どのくらいの温度で、何時間くらい冷凍すれば効果があるのでしょうか。
ここは非常に気になるところですよね。
日本ではこんな感じで基準が定められています。
- 厚生労働省の基準 マイナス20℃以下で24時間以上
- 全国各地の保健所指導 マイナス20℃以下で48時間以上
結構低い温度なんですね。
そういえば、家庭用の冷蔵庫の冷凍室(以下、家庭用冷凍庫と呼びます)って、こんなに冷えたっけ?
家庭用冷凍庫でも大丈夫?
冷凍処理の基準を知ったところで、次に気になるのは、
『家庭用冷凍庫でもちゃんと処理できるのか?』
という点ですよね。
結論から言うと、「たぶん、大丈夫!」です。
大丈夫な理由はこれからご説明します。
冷蔵庫の性能について
たぶん、というと、ちょっと弱気に聞こえちゃいました?
というのも、家庭用冷凍庫でマイナス20℃は、ちょっと厳しいんですよね...
家庭用冷凍庫の性能基準をちょっとみてみましょう。
冷凍機能の性能は、JIS規格で星の数を使って、表しています。
- ワンスター マイナス6℃以下
- ツースター マイナス12℃以下
- スリースター マイナス18℃以下
ちなみに『フォースター』という規格もあるのですが、温度はマイナス18℃以下、とスリースターと変わりません。
でもこの規格のものは、スリースターよりも早く、中に入れた食品を冷やす事ができるそうです。
※スリースターは1970~1980年代に多く製造されており、2000年以降は、スリースター以上の性能と考えてOKです。
でも、マイナス20℃にはなりませんね...ということは、
「アニサキス平気なんじゃね?ヤバイだろ!」
と思われたあなた、ちょっと待って下さい。
もうひとつ、知っていただきたい大事な事があります。
それは、アニサキスが本当は何度で死滅するのか?
ということです。(ここがイチバン重要かも)
アニサキスの死滅する温度は?
『凍結及び乾燥研究会』という研究機関の報告では、
とされていました。(確実なのはマイナス8℃だそうです)
たまに、凍結しても復活するタイプの虫とかいますけど、アニサキスは完全に凍れば死滅するそうです。
これなら、家庭用冷凍庫でもバッチリですね!
(アニサキスめざまあみろ)
でも、厚生労働省や保健所の基準はこれよりもだいぶ厳しいですよね?
これは、大量に処理する場合でも、アニサキス由来の食中毒を確実に防止する為だと思います。
たくさんのイカや魚を、一気に芯まで凍らせないといけませんからね。
とはいっても、ご家庭で30匹も40匹もいっぺんに処理することは少ないでしょう。
なので、家庭用冷凍庫でも工夫すれば、充分に対応可能です!
では、家庭で処理する場合、どんな点に注意すれば良いのでしょうか?
家庭で冷凍処理するポイントは3つ!
家庭で冷凍処理するポイントは以下の3つです。
- ドアの開閉を極力減らす
- イカなどはさばいてから冷凍する
- 金属製のバットなどに載せて冷凍する
- 冷凍時間は24時間以上
では、順番にみていきますよ!
ドアの開閉を極力減らす
家庭用冷凍庫では、いくらスリースター以上といっても、規格にあるマイナス18℃ですら、をキープするのは無理でしょう。
子供がアイス出したり、パパがお酒の氷出したりする度に、ドアが開閉されて、庫内温度があがっちゃうからですね。
でも、アニサキスが死滅するマイナス8℃以下なので大丈夫です。
とはいっても、極力連続した時間で冷凍処理をしたいので、一応ドアに、
『イカ冷凍処理中!開けるな!』とか貼っておきましょう。
イカなどはさばいてから冷凍する
イカを丸のまんま冷凍するよりも、胴体、ゲソ、ワタに分けた方が、早くキッチリ凍るのでオススメです。
そのままゴロン、よりも身の厚さも薄くなるので、中までキッチリ冷えますよ!
使うときにも、ゲソはお好み焼き、身はお刺身や塩辛など、用途によって部位も違いますしね。
凍ってからだと完全に解凍しないと捌けないので、予め処理しておくと、使う時も便利です。
魚の場合は、捌いて内臓やエラを取り出して冷凍しましょう。
金属製のバットなどに載せて冷凍する
冷凍室にそのまま入れてもいいのですが、ステンレス製のバットに載せて冷やすと早く凍ります。
金属に触れている部分は、温度が伝わりやすいので、早く冷気を浸透させることが出来るんですね。
※イカワタは油分が多くカチコチに凍らないことがあります。その時は他の部位がちゃんと凍っていれば大丈夫です。
冷凍時間は24時間以上
冷凍処理の時間は厚生労働省の基準並に、きっちりやっておきましょう。
本当は捌いてから凍らせれば、アニサキスに対してダイレクトに効きそうなので数時間でも良さそうですが...
でも念のため、ちょっと長めに凍らせましょう。ここには数字の根拠はありませんが、まあ気持ちの問題ですね。
「今日捌いたやつ、明日食べよう」とか、そんな感じでやってみて下さい。
まとめ
いかがでしたか?
では、本日のまとめです。
- 厚生労働省や保健所の指導では、マイナス20℃で24~48時間
- 実際の研究ではマイナス3.5℃~8℃でも死滅効果が確認されている
- 家庭用冷蔵庫(冷凍室)でも、捌いて冷凍すれば充分に効果あり
- 念のため、冷凍時間は24時間以上にする
家庭用冷凍庫でも、ちゃんと捌いてから冷凍処理すれば大丈夫です。
それに心配しすぎたら、イカのお刺身やカツオのタタキが食べられなくなってしまいます。
ちゃんと気をつけて処理すれば、そこまで怖がる必要はありませんからね。
アニサキスなんかに負けずに、おいしく食べちゃいましょうね!
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