「熱っ!!!」
朝の支度で忙しい時間帯に、朝食を作っていた妻が、フライパンでやけどをしてしまいました。
すぐに、水道の水で冷やしたのですが、
「そういえば、この後って、何すればいいんだっけ...」
今回は、いざというときのために、
「冷やし方や、時間の目安って?」
「水ぶくれは潰していいの?」
といった、応急処置と正しい治療方法についての疑問を解消していきたいと思います。
火傷(やけど)ってどんな状態?
「火傷(やけど)」とは、正確には「熱傷(ねっしょう)」という
皮膚が熱によって損傷した状態の通称です。
火傷の種類には、
- 温熱熱傷
- 化学熱傷
- 電撃傷
- 放射線傷
- 低温熱傷
などがありますが、日常生活でよく見られるやけどは、
温熱熱傷と、低温熱傷ですね。
更に、やけどはその、状態によって
「深度」に分けられています。
- I度 (皮膚の赤み。痛みや熱っぽい感じ。)
- 浅達性II度 (Ⅰ度に加え、水疱や腫れ、爛れる。)
- 深達性II度 (浅達性II度とほぼ同じだが、白っぽく変色する。)
- III度 (壊死したり、炭化する。乾燥し、感覚が無い状態。)
1は、やけどしてちょっと赤くなったりヒリヒリした感じ。
2は、それに水ぶくれやちょっと痛みが強くなった感じ。
家庭でよくあるやけどはここまでですね。
3以降は重傷なので、素人の手には負えませんので、すぐに病院に行って治療してもらいましょう。
正しい処置を知ろう!水ぶくれや跡を残さない治療方法とは?
やけどの応急処置で何よりも最優先すべきなのは、
「流水などで患部を冷やす」
コレです!
その先の疑問として出てくるのが、
- 冷やす時間はどのくらい?
- 冷やした後の処置は?
- あとに出来る水ぶくれって潰すの?
などといった事ですよね?
ではここから、更に詳しくやけどの応急処置(冷やし方)と、その後の治療方法について
みていきましょう!
やけどを冷やす時間はどのくらい?
水道の流水などで15分以上、痛みがなくなるまで、冷やし続けて下さい。
この時、火傷がひどく、水ぶくれなどを起こしている時には、水流が直接当たると、余計痛くなってしまいます。
痛みがひどい場合は、洗面器などに水を流し、患部を浸すようにして、冷やしてあげましょう。
また、流水ではなく氷や保冷剤を当てるときには、直接当てずに、ハンカチやタオルでくるんで当てましょう。
もしビニール袋があるなら、氷と水で氷のうを作って冷やすのも良いと思います。
この方法なら水をかけ続けるのが大変な箇所や、屋内で安静にしていたい時にも処置がしやすく、オススメのやり方ですよ。
ちなみに、服を着ているところにやけどを負った際に、それが重症と思われる場合は衣服の上からそのまま水をかけます。
服を脱ぐよりも冷やすことを優先して下さい。何故かというと、ひどい火傷の場合、衣服が患部に張り付いてしまっている可能性があるからです。
こういった時は、冷やした後、そのままの状態で病院に行って下さいね。
冷やした後の処置は?
冷やした後は、やけどの大きさや様子を見て、
コインくらいの大きさで
- 赤くなっている
- 水疱が出来ている
程度であれば病院に行かなくても大丈夫です。
(もちろん、行ったほうが確実ですが。)
患部が小さくて、赤くなっているだけなら、軟膏などもいらないそうです。
特に、アロエとか、すったジャガイモとかの民間療法は止めましょう。
若干の冷やす効果はあっても、特別な効き目はほとんど無いみたいです。
やけどの水ぶくれは潰すの?最適な処置方法は?
やけどを負った時、熱を受けた時間が長くなると、患部に水疱が出来てしまいます。
膨らんだ部分をつんつん触ると、痛いし気になるし、「どうしたらいいんだろう?」
と思いましたが、
実は、この水疱について、破いてしまうか、温存するか、お医者さんの間でも意見が分かれるみたいです。
水疱は皮膚から剥がれた表皮と、皮膚の間に水が溜まっている状態なので、表面の水疱の膜は死んでいる。破いて治療をした方がいい!
または、
水疱は、やけどの患部を感染から守ってくれる。自然の、バリアの役目を果たしているのだから、これをつぶしてはいけない
というふうに意見が分かれます。
やけどとはちょっと違いますが、以前、娘が「水疱瘡」にかかった時、かかりつけの先生に、
「水ぶくれって、基本的には触っちゃダメすか?」
と、聞いた時、
「病気のは、中にばい菌がいるからダメ!」
「怪我の水ぶくれの中身は体液だから(雑菌がいない)、ばい菌入らないように注意するなら潰してイイよ。」
と言っていました。
最近はやけどや傷の治療の時に、湿潤療法という治療が行われ、話題になっています。
傷口に対して、細胞にもダメージを与える消毒を止めて流水で洗浄を行い、ガーゼではなく、白色ワセリンを塗ったラップで覆うことで、身体の持つ自己治癒力を利用する、
という治療方法です。
コレを利用したのが、よく治る絆創膏と言われる「キズパワーパット」ですね。
(偉そうに言ってますが、コレもお医者さんに聞きました。)
破れないような厚い皮膚の下にある水ぶくれはそのまま放置しますが、ちょっと触って破れる水ぶくれは、さっさと破いて、湿潤療法を施したほうが良いそうです。
私は、
キズパワーパットのような市販の湿潤絆創膏が覆うことが出来る範囲のやけどでは自分で治療し、それよりも広範囲であれば医師の診察を受けるべき、
と考えています。
さすがに、自分でラップ、はちょっと怖いので...
今回、妻がやけどしたのはフライパンの端っこをちょっと触った程度だったので、20分ほど冷やしてあとは何もしませんでしたが、すぐに治ってしまいました。
でも、冷やす時間が短いと、水ぶくれや、ヒリヒリとした強い痛みが残ってしまいます。
そういえば先日、小学生の娘が家庭科でフライパンを使用した際に、指をやけどしてしまいました。
あわてて先生に事情を報告したり、保健室に行ったりで、結局冷やす時間が短かったようです。
そのため、病院で診察してもらったにも関わらず、痛みがとれて完治するまでに2習慣以上かかってしまいました。
やけどの時はとりあえず冷やしましょう。とにかく冷やして、熱を皮膚の奥まで浸透させないようにすれば、軽度で済む可能性があがりますからね。
娘も冷やしながら先生に報告すればもっと症状は軽くて済んだのかもしれません…
(とはいえ当事者は慌てている場合がほとんどなので周りが的確に動いてあげるのが理想です)
まとめ
今回のまとめです。
- やけどの処置と治療は、「とにかく15分以上冷やす」こと
- 直接流水をかけ続けるのがつらい場合は、洗面器やビニール袋の氷のうを活用する
- やけどの後の水ぶくれは小さなものは潰してもよいが、ばい菌が入らないようにすること
- ひどいやけどは服の上から冷やすこと
判断が難しい場合は無理をせずに病院に行きましょう。
でも、ちょっとしたやけどなら、上記の事を頭に入れておけば対応は可能だと思います。とっさの時に思い出していただいて、正しい処置をして頂けたらと思います。
それではまた!
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